社長さん、社員さん、いらっしゃいませ。
本日は『どうすれば会社を良くできるのか』
…という議題について話してみようと思います。
目をかっぴらいてご覧ください。
社長! 怒って終わりではありませんか?
最初に…社長さん、お疲れ様です。
会社経営は簡単なものではありませんよね。
なにせ、日本の義務教育は指示どおりに動く人を養成するプログラムであり、事業を起こすために必要な知識や思考を磨くことはできませんから。事業を起こして成長、継続する。これはとても大変なことです。
特に、良い会社にするのはとても難しいことです。
(【良い会社】についてはあえて定義しません。広く多角的に考えてください。)
社員も顧客も理想どおりには動いてくれません。売上が伸びないこともあるでしょう。
しかし、理想どおりにいかないことを怒って終わり…ではいけません。
怒るだけで終わってしまうと、会社はどんどん悪い方向へと転がっていきます。良いとこで現状維持です。
怒ることがダメだとは言いません。
しかし、ときに受け入れ、ときに説明する。そういったことも必要です。
社長! 一番の味方に気付いていますか?
会社は社長の手腕ひとつで大きく変わります。
裏を返せば、社員ひとりの力で大きく変えることは困難です。
それだけ、会社はピラミッド型の組織であるということです。
考えてもみてください。
下部がすかすかのピラミッドは、果たして頑丈でしょうか?
組体操にしても、積み木にしても、土台がしっかりと支えているからこそ、多少の地震が起こったところで上部は揺らぐことなく立っていられるのです。
会社の力とは社員そのものであり、社員は心強い味方です。
社員に怨まれるような態度を取ったり、反感を買うような指示を出すよりも…
社員と顧客が得をするような方法を示したり、社員の考えに理解を示したり…
社員を味方に引き込んだ方が、会社は良い方向に向かっていきます。
更に言えば、社長ひとりの双眼よりも、社員全員の双眼を使った方が、遥かに多くの物事を視ることができます。現場の様子や細かい変化に気付けるのは社員だけです。会社のことを社長の次に理解しているのは、顧客ではなく社員です。
社員こそが最高のアドバイザーなのです。
社長! 社員と向き合っていますか?
一言に社員と言っても、さまざまな人がいます。
出勤時刻から退勤時刻まで会社にいるだけでいいと考える人。
問題点を把握して意見を上げてくれる人。
不満を言うだけの人。
上層部にストレスを抱えている人。
理想どおりに動かない社員に苛立つこともあるでしょう。
確かに、契約内容にも寄りますが、社員は会社に利益をもたらすために努力をする義務があります。しかし、そのために動いてくれる社員はほんの一握りです。
ほとんどの人は会社のためを思って積極的に動くことはありません。それに対して文句を言ったり無理強いをしてもまったくの無駄です。
なぜなら、社員は個々に異なる人間だからです。
本人の労働意欲や義務感。
本人の才能や性格や待遇。
できない人に命じたところで、一生かけてもできません。
できる人に命じたところで、喜び勇んではくれません。
…であれば、社長がすべきことは決まってきます。
頑張ってくれる人には見返りを与える。
頑張ろうとしている人を抑えつけない。
頑張っている人の意見を聴く。
社員からの意見はすべて肯定せずとも良いですが、すべてを否定してはいけません。
人は自分の意見が否定されたとき、自身も否定されたように感じます。認めるべきところは認めましょう。
また、聴いただけで終えてもいけません。
YESやNOと結果だけを伝えるのではなく、きちんと理由を説明しましょう。
面倒臭いと思うかもしれませんが、そこで楽をしてはいけません。
社員はロボットではありません。人格があり、感情があり、気持ちや考えは言葉にしないと伝わりません。組織の規模の大小に関わらず、人間はコミュニケーションなしに、円滑に動くことはできません。
不満が蔓延る会社と、不満が解消できている会社、
はたしてどちらが良い会社でしょうか?
不満とは感情です。
問題を解決することと不満を解消することは似て非なる問題です。
特に社員が会社に対して抱く不満の大要因は、理解をされないことに対する苛立ちです。
意見を却下すること一つをとっても、
話を聴かずに門前払いか、
理解を示して理由を伝えるか、
たったこれだけのことでも、相手に与える印象は大きく変わります。
良い会社とは何なのか?
社長と社員の関係はどうあるべきなのか?
見直すきっかけは社長次第です。
もしかすると、社員は今もメッセージを送っているかもしれません。
サインを見逃し続けた末に、優秀な社員が転職することのないよう気をつけましょう。
以上、『良い会社にするにはどうしたら良いのか?』でした。