2024年10月27日(日)投開票の「衆議院選挙2024」では自民公明連立与党の議席数が過半数割れになるという、とても熱い結果になりました。ちなみに自民公明与党の過半数割れは15年ぶりとのことです。
すでにあちらこちらで言われていると思いますが、このような結果になった原因は、「生活に困窮している国民の現状」や「有権者たちの期待」に自民党が真摯に向き合ってこなかったこと。これが大きいでしょう。
そして、これは私見になりますが(……というかこの記事そのものが私の考え100%で執筆されていますが)、今回の議席配分はベストではないにしても理想に近い議席配分になったのではないかと思っています。
そこで本記事では
なお、私には支持政党がありません。そのため今回の自民党の敗北を喜んではいませんし、立憲民主党の躍進に納得しているわけでもございません。ご承知おきください。
- 自民党にはお灸を据えなければいけなかった
- 立憲民主党が自民党より多い議席数を獲得するのはまずい
- 政策ごとに是々非々で決議が行われる期待
- 衆議院選挙2024の最終的な議席数配分は?
- 今回の選挙結果は理想的ではないでしょうか
- 自民党が返り咲くにはどうしたらいいのか?
自民党にはお灸を据えなければいけなかった
まず今回の衆議院選挙における最も大きなポイントは、自民党の政治に我慢ならなくなった有権者が自民党にお灸を据えるために自民党以外に投票したことでしょう。
では、なぜそれほどまでに有権者たちの支持を得られなくなったのか?
今回の選挙結果を話すうえで、これを語らないわけにはいきません。
「政治とカネ」問題などの不正や国民を軽視した政治
個人的には(クリーンさよりも能力を重視しているため)重要視していない項目なのですが、まず第一に「政治資金収支報告書への不記載」や「使途不明金」などのいわゆる政治とカネ問題が国民に強い不信感を抱かせたことが議席数の減少に繋がったことは間違いないでしょう。
また、第二に国民(や国家)が必要としている経済対策や国防、半導体技術、セキュリティ対策、AIの使用に関する法整備、エネルギー供給などなどの問題に有効な手を打てていない(あるいは軽視している)ことに人々が耐えかねたことも今回の結果を招いた原因でしょう。
高市早苗総裁を誕生させなかったことが失望を招いた
前述したとおり、与党に求められることは日本や国民を苦しめる問題を着実に解決していくことでした。
そして、そのためには「どのような問題があるのか」と「何をしなければならないのか」をしっかりと理解している人が船頭になって、次々と手を打っていかなければならない……そんな折に自民党総裁選で選ばれたのが石破茂さんでした。
ですが、現状において求められていたのは、やらなければならないことを理路整然と説明して道筋を立てられる高市早苗さんのような人でした。それは総裁選の様子を見守っていた人たちからすれば一目瞭然でした。
そのような世間との認識の差が「今の自民党は本当にダメだ……今のままではいけない。問題があることを自覚してもらわなければ!」といった考えを生み、冷静に政局を見極めていた人たちの票までもを逃す結果になったのだと思います。
立憲民主党が自民党より多い議席数を獲得するのはまずい
自民党が苦しい状態になった反面、この機に議席数を大量に獲得したのが立憲民主党です。
もしも私が立憲民主党の支持者であったならば、ここで万歳三唱でもしたうえで歓喜の雄たけびを上げていたのかもしれませんが、実際には予想していたよりも議席数が増えすぎて困惑しています。
たしかに「野党の票が伸びてくれたらいい」とは思っていましたが、だからと言って自民党以上にまともな政治ができない立憲民主党に政権交代されては困るので、今回の選挙結果で自民党が第1党の座を維持してくれたことにはとても安堵しています。
そのため、今回の選挙で自民党に投票してくださった方々には感謝しております。おかげさまで今回の選挙結果に至ることができました。
立憲民主党は自民党よりも政権運営を任せられない党である
自民党以上にまともな政治ができないのが立憲民主党であると前述いたしましたが、その最たる理由は彼らが重きを置いているのが「自民党批判」であるからです。
批判しかできない党は国民を幸せにできない
選挙で国民が投票する(べきな)のは端的に言い表せば、国民の生活を豊かにしてくれる政策を立案、施行してくれる党や議員です。
ですが、立憲民主党は国会で野次を飛ばしたり、議論や議会の妨害をしたりするばかりで国を良くするための行動をしていません。批判は議席を持たない一般国民でも可能な行為です。
一方、政策を立案して議会に提出し、議論の末にそれを施行することができるのは、立法権を持つ国会(議員)だけです。
だからこそ国民が政治家に求めることは、良い政策を打ち出したり、他党が提出した政策の是非を国民や国家のために論じることです。
良い政策や議論を行ってくれる党があれば、国民はその人たちを信頼して支持します。
大切なのは他党を貶めることではなく「国民のための政治」を行うことであり、どれほど自民党が失望されたとしても、批判しかできない党に政治を任せることはできません。
実際、今回は自民党が自爆した結果の議席獲得であるにも関わらず、立憲民主党の野田代表は自分たちの政策が支持された結果であると発言しています。
そのように国民の声を無視して自分たちにとって都合のいい考え方しかできないのであれば、今後、安定した支持層を形成することは難しいでしょう。
自民党がやらかしていることは立憲民主党もやらかしている
普段から自民党への批判ばかりが注目される立憲民主党ですが、実はそんな彼らにもブーメラン投げという特技があります。
例えば自民党が何かしらの問題を起こしたと判明したとき、立憲民主党は血気盛んに批判しますが、実は自分たちも同じような問題を起こしていることが多く、批判した内容がそのまま自分に返ってくることから「ブーメラン」を投げるのが上手いと揶揄されています。
政治とカネの問題もそうなのですが、自民党がやらかしたから相対的に立憲民主党がクリーンかと問われれば、まったくもってそんなことはありません。
もしも「ダブルスタンダードの権化は?」と質問されれば、おそらく最多回答は立憲民主党となることでしょう。
同じ物事であっても、対象によって別々の価値判断や判断基準を使い分けること。
例:私たちは○○をしてもいいけど、あなたたちは○○をしてはいけない。
政策ごとに是々非々で決議が行われる期待
ここまでに述べてきました通り、議員がすべきことは批判ではなく議論です。飛ばすのであれば野次ではなく反論や質問、意見などであるべきです。
そして、「どこどこの党が提出した政策だから反対する」ではなく、個々の政策を是々非々(良いことは良い、悪いことは悪いと公正な判断をすること)で決議を取る。それこそが、ここ数十年間における日本の政治に欠けていたことです。
それは翻せば、是々非々で真っ当な判断をする姿を見せつけてくれていたならば、自民党一強の時代はとうの昔に終わっていたと言えるでしょう。
ちなみに国民民主党の玉木代表は、連立の可能性があるかと質問される度に政策ごとに是々非々で判断することを主張しています。また、個人的にはそのような健全な野党がいなかった今までが異常な状態であったと思っています。
日本維新の会と国民民主党は自民や立民との連立を否定している
自民党、立憲民主党に次いで議席数を獲得している「日本維新の会」と「国民民主党」は、連立の可能性については現状否定しています。
実際問題、それぞれが異なる考えを持つ野党同士で連立を組んでも芳しい成果は上がっていませんし、それどころか「芯が通っていない」、「政権を取るために方針を曲げるのなら支持できない」と有権者に見放される可能性すらあり得ます。
ですから、自民党とも立憲民主党とも連立を組まないというのは、至極まっとうな判断であり、そのような姿勢を見せ続けることで党勢は拡大していくことでしょう。
衆議院選挙2024の最終的な議席数配分は?
衆議院選挙2024の最終的な議席数の配分は、与党が215議席、野党が250議席です。
党ごとの議席獲得数といたしましては、自民191>立民148>維新38>国民28>公明24>無・他12>れいわ9>共産8>参政党3≧保守3>社民1、となりました。
参照元:衆議院選挙2024 NHK衆院選ニュース 特設サイト - NHK
今回の選挙結果は理想的ではないでしょうか
自民党と公明党の連立与党の合計議席数が過半数割れとなったことで、自民党は政策を通す力が弱くなりました。
一方、議席数を大きく伸ばした立憲民主党が気ままに振舞えるようになったかと言えば、そうでもありません。次いで議席数を持つ維新と国民民主に共闘する意思がないためです。
つまり、これからはいずれの党も、他党に所属する議員や無所属議員などの賛成を得る必要があり、そのためには是々非々で見たときに賛成を得られるような政策を作るよう努めなければなりません。
ともすれば、これからの国会では議論や論争がきちんと行われ、議会が正しく機能するようになり、ひいては国民の声が届きやすい国会になっていくはずなのです。
自民党が返り咲くにはどうしたらいいのか?
自民党は党としては問題が多く、溜まった膿を吐き出す必要性があると考えますが、自民党全体が腐っているかと言えばそうでもありません。
実際、先日の総裁選では石破さんと高市さんの決戦投票になだれ込んだように、自民党の中でも「今の自民党ではダメだ」と理解している方たちが多くいる実情が垣間見えました。
ですから、自民党が「議員とはどのような存在であるべきか」を改めて考え直し、それを二度と忘れないように努めることができれば、再び人々に支持される政党に返り咲くことも夢ではないと思います。