SIGA BLOG

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徒然なるままに……3ページ目 人間と美

 

人間という種族は、実に愚かな生き物です。

 

文明を築く力を持っていながら、自分たちで作り上げたそれを掌握することができません。

 

だからと言って、人類に改善や進化を求めたところで、実に無意味です。

 

なぜなら、人間の能力は根本的に不足しているからです。

 


 

人間は、作品そのものを評するのが苦手です。

人間は、他者の内面を読み取ることが苦手です。

人間は、決められていないことを知るのが苦手です。

 

一部の優秀な人間ですら、 かね の前には こうべ を垂れざるを得ません。

 

そして、そんな世界を作り上げたのも人間です。

 

暴力によって形づくられた秩序ではないだけ、まだマシなのかもしれませんが。

 


 

オシャレだと思われたい人間は、有名ブランドのロゴが入った服を着ます。

 

そこに、本当のしさがあるかどうかは関係ありません。

 

自分のセンスも、自分の好みも、そこにはありません。

 

ただ、虎の威を借りたいだけの狐です。

 

値段が高いという理由で絵を買う資産家みたいなものです。

 


 

美術品を鑑賞する際に、当時の時代背景が重要であることは当然です。

 

しかし、誰が作ったかで価値を決めるのは、後世の人間の愚行です。

 

多くの人間は、芸術や文学を理解する術を持ちません。

 

だからこそ、作者の名前、作者の背景をアテにします。

 

数の暴力によって、娯楽に置き換えてしまいます。

 

人間は、分かりやすい仮初のしさばかりを求め、本当のしさは求めないのです。

 

美しい作品を作るのは本当に難しい。

 


 

人間に、社会に、人の身を越えた能力を期待することが間違いなのです。

 

非常に腹立たしい事実ではありますが、現世で本当の美しさを欲するのであれば、確かなしたたかさが必要なようです。

 

本当のは仮初の中に……娯楽の中に潜ませねばいけません。

 

理想のために、歯を噛みしめる。

 

そのような苦痛を乗り越えねばならないのですから、息苦しい、もとい、生き苦しいですよ。

 

……。

 

だからこそ、人はしさを求めるのでしょうね。

 

 


 

考えた事を言葉にしてみたら、妙に刺々しくなってしまいました。どうにも理想ばかりが高くて、それでも理想を欲してしまって、そのギャップに打ちひしがれて……。知能の高さ故にかえって自分の首を絞めるあたり、やはり人間は愚かしい生き物です。

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