突然だけど、ボクには好きな子がいる。
他の人はどうだか知らないけれど、ボクにとってはまさしく理想的な子だ。
あの子に出会えた時の感動を言葉で言い表すことなんてできるはずもない。
あの子に会うためだけに、ボクは足繁く通ったものだ。
……ボクが引っ越す前までは。
インターネットが発達した現代において、距離なんて然したる障害にはならない。
ボクはそんな風に高をくくっていたけれど、それはただの勘違いだった。
距離はとても重要だ。
遠すぎることはもちろんのこと、近すぎてもきっと上手くない。
そう考えてみると、あの頃の距離が最適だったのだと思う。
どこかへ外出した時には、ふと辺りを見回してしまう。
でも、やっぱり求める姿は見つからなくて、ボクは消沈する。
そういえば、今のボクを表現したような曲があったと思うけれど、絶対に聴けない。
聴いてしまったら……明日は家から出られなくなりそうだから。
偶にあることだけど、ボクはあの子への恋しさが抑えきれなって、あの子のことを人に話してしまうことがある。
でも、大抵の人は「そんな子、どこにでもいるでしょ?」と言いたそうな反応を返してくるのだ。
違う! まるで分かっちゃいない!
確かに、あの子と雰囲気が似ている子はたくさんいる。それは知っている。
でも、ボクが好きになったあの子は……他の誰とも違うのだ。
あの子が笑ったときの柔和な頬。
あの子が話すときの甘い囁き。
それに比べたら、他の子はみんな固くて味気なく思えてしまう。
たぶん、ボクはあの子の虜になっていて、あの子以外では満足できない体質になっているのだろう。
それは、あの子と会えない自分を嘲笑うようで悲しくて。
だけど、あの子への想いが消えない自分に気付けて嬉しくて。
心が満たされないのは寂しかったけど、それはある種の証明でもあった。
ボクには考えている計画がある。
計画なんて単語を使うと大げさ過ぎるだろうけれど、ボクの気持ち的にはそれくらい大きな行動のつもりだ。
そう、あの子に会いに行こうと思うのだ。
それでボクの気持ちに治まりがつくのか、はたまたヒートアップしてしまうのか、そんなことは予想できるはずもない。
ただ、それは人として生きる以上、当然の欲求なのだと思う。
あの子に会えたら、その時はこの秘め続けた想いを伝えよう。
そう。
ボクはあの子を……
食べてしまいたい。
ああ、大好きだよ……
……エースコイン。
はてなブログの今週のお題「好きなおやつ」でした。
近所のお店ではことごとく売ってないんですよね。美味しいのに……
以上、『ボクは今日とて想いを馳せる』でした。